2011/06/04

Musica Purgamentum

 井戸から汲み出した錠剤の
貝殻に含まれていた「しんでいけない」と嘆く
それに、腕が二鎖
 の塩基配列になって絡み付いている

磁鉄鉱の硬度のように携帯できる広告となって

それが何処からか剥がれ落ちた大き
 な破片であるとさえ思っていた
ただ隣接した地肌に イオンの濃度が高まっていることを、

「さようなら。君の奇形児。」

でも、僕らはそれを丁寧に拭き取って、
ダンボールのなかに置きっ放しにしてい
たことが嬉しかったんだ

僕らから君を取り集めようとしても、
見つかったのは永遠、 
 それも、意味
の持たない永遠が、それを代わりに再生されてしまう

浸透圧によって溶け出してしまった火星の氷の破片すらも僕らは飲み込んでいた気でいたんだ
僕らの部屋に降り注いでいたのは不器用な傷
 を付けられてしまった衛星

馬の胎盤を僕らがその破れ目に吐きだした

ほら、それが
 北側に飾っていた白い花の観念に似ていた

それは冷静を装っているけど、狂っている
かのような、微笑みを
君は永遠から取り出して
  互いを知らない存在の、実験を取り仕切る
だけの、
正体を少し知る

水滴の表面に君の足音がうずくまることのできないように
赤いペットボトルが列をなして
それくらいの配給
 を待っている

「私、こわいわ。だって......」

君と僕らが日々を乗り過ごしていた皿のうえに
お腹はすいていませんか?

胎細胞に蛾の沈み落ちてゆくよ
みたことがない
 それを
隠すようにして、

僕らは困難な時にあってさえ、互いの存在を知らない
ままに、  それが何であるのかを見極めようとしていた
    肺魚
が、産み付けられました

まるで化石から営みを掘り出したかのよう
に君の子
 宮は汚泥の匂いしかしない

して、さえ、
僕の視覚は観念のパレードを廻り、
剥き出しの頚椎に青白く噛み跡を気づかせる
のは、そこ、
けして、色がなかったからではなく

液晶の水面となった感情がそれを食べている
  雌鹿が硬貨を飲み込ん
で破裂してしまったよ

脾肉の軟らかさから汲み出した
僕らの季節に花々を渡して
  からは、
毒蛾が僕
の背の高さまで闇を築く

 だけの、それ
に、正体をまた少し知る

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