人、[幾層を翔]ける向こう岸の、記憶の枝をつぐむ、(鱗の)変わらない、ちる、{のように、美し}い人、あなた、ここにいない言葉、人、のような、あなた、
人、蝋燭<を回り続ける抜>け殻の、りゅ、う、焔硝、森に違う`つぐみ、くちる``、のように、美しい人、あなた、ここ(にいな)い音階、人、のような、あなた、
衛星へ|ぬけるヒナゲシ | の | 花 |、はつ・・み、、つつやかに、下っ<てゆく>、約束のレンズ、く、(する)、岸、の‐ような、あ/なた、ここに、
あった、対/角線上に制/御する、大海が隣(接)に、み、_錆びつく_氷砂糖_、りつ、ぬけてゆく、ぬけてゆく、‐朗読‐者、のような、あなた、
ここ“にない破調、延”命する露地、電柱が把握・する、人、「ずっと、ずっと」、た、たっ__つ、感<受性>、のような、(クル)、叶わぬ<こと>、のような、美しい人、あなた、
"めくれる腕の、痕"跡に【残った】川底に、<りぃ><りぃ><りぃ>、シ音を、たたく、(あ)たらかに、3つ、胡桃がける、裸足、のように、「冷たいね」、と、不拍子に、さく、のような、美しい人、あなた、
黒-み--がかった秒針の、カラミごとに、`あ`ねる、むネ、つ・む、先の、シらまる、ひと|とつに、束を放つ、円すい状の、"洗浄液"に、ふり、{返る}、遅す-ぎた、のような、】美しい、【あなた、
溶『ける腕、目;覚める咲き=かけの、使用感、つらめ、〔つ〕らめ、「紅いよ」、録画(される)、星座野、それ、黄*黒***青]咥えたシステム』、ひ・(・視、くす)、あだしの、のように、美しい、あなた、
ヒシオリ、道__{_標の北極星、求心性の、い"く愛しみ、繚乱して、」、待つ、か、{が声、犠《牲者》(?、[羅針症、アルキさ]える、響き、<ぽし>、
2013/11/05
Deep Azur
2011/06/04
l'infinite
血管でなく、竜胆の茎が。
爪先の奥から、繋がっているのよ。
夜ごとに巡り会う、ある花冠。
あなたの朝方の祈り。“We are all LOVERS.”
輪郭のあいまいな写真のように
再び使われることのない言葉。
でも、わからないの。
その指の粒子のイマージュ。
そして緑色の……ふくらませたね。
sin、sang、song.
大理石の中に閉ざされた
あなたの海。
この胸の暖かいところ。
無垢の静かな森。
きっと、紅葉の赤い原子だね。
粒子のイマージュ?
口づけしたいな。
宇宙の人体模型
の、未熟な心臓。
胸元にあった、あなた
の、夏の城。
向日葵が咲いていたよね?
華火という名をした、器官。
乳白色の宇宙。
海の重力が働いているのだね。
どうして、そういうことするの?
あなたのなかに廻っているのだ。
血管を廃して、かつてあったことが。
すべてのsin、sang、song...Ring.
口づけする?
爪先の奥から、繋がっているの。
無垢の、紅過ぎる森。
ただ、子供たちだけが……。
組み合わされた、有機体の炎色。
もう、わからないのよ。
奇形の巨炎。私たちのいた太陽。
“We are all LOVERS?”
太陽が咲き乱れているよ。
大理石の中で、海が、
薔薇を咲かせているのよ。
だから、もう口づけしよう?
その眼の、独自な精液。
あなたの視線から続く、
水平線の空間。
粒子のない光、あなたの吐息。
重力が働いているのだね。
吐息もまた、骨に違いない。
どうして、そういうこというの?
並木道を歩いていく、
純粋に、逃げさるイマージュ。
夜ごとに出会う、ある花冠の形態。
精液の中の小さな火。
零の青の運動性。
あなたを傷つけあうこと。
“We have the Paradise.”
何が起こっているのかしら?
ただ、子供たちだけが……
無垢の有機体が、雨で濡れている。
再び言われることのない言葉が、
赤い土塊に浸み込んで、散っている。
ここでは、何が起こっているのかしら?
太陽が重力を戻しているのだね。
記憶の中を、真空へと。
あなたの視線を抜けて、
かつてあったことが、廻ってゆくの。
その足音が震えているのかな?
並木道を歩いていく、純粋な、
あなたのイマージュ。
だからここには何もないのね?
骨があるよ。あなたの肺の、
朽ち放たれた、年齢の空間。
重力が働いていたのね?
秩序づけられた、粒子の氾濫。
あなたの子供たちの。
交感神経の問題なのよ。
薔薇をめぐる血管の先。
あなたのものだった、未熟な心臓。
乳白色をした地平。
本当に、何が起こっているのかしら。
新しい星が結ばれているのだよ。
すでに森の奥に、視線を渡してしまった。
綴りを川鱒に預けて、こんなふうに。
“Paradise, Paradise, Paradise...”
忘れてなどいないわ。
口づけは?
それがどうしてあなたの、
言葉にならないのだろう?
かつてあったことが、廻ってゆくの。
あなたの海の、草原になったことも。
太陽は咲き乱れていたよ。
でも、わからないのね。
無垢の宇宙のイマージュ。
向日葵は枯れてしまっている。
あなたの胸の器官。記憶の外へと。
交感神経の問題だったんだね?
川鱒の呼吸する言葉。祈り。
爪先の奥から、繋がっていたの。
花冠から、この夜の傍らまで。
雨が降っているのかしら?
秩序づけられた、粒子の氾濫。
あなたの、傷つけあうこと。
無垢の口づけ。
運動性が赤に還っていく。
並木道を、静かに渡りながら。
“Astaire=Rogers”
この言葉の夜に?
あの朝の次の、花冠の形態。
うたかたのなかの、太陽。
そもそも、光などなかったのだね。
この始まりを欠いた重力の奥。
薔薇の祈りが、沈香のものであるように。
何もないもののほうが、ここでは多くあるのよ。
雪に閉ざされてしまった石の葉隅。
流されていた血流の色。音差を辿りゆく澪。
結晶が揺らめいていた、堕ちゆくSing。
もう焼きつくされてしまった。
嵐に卵を棄てて逃げてくる鳥、
枯葉のシィクセスのように。
もう誰も覚えていないのね。
白昼の肉体の連動。シルクを振りほどいて。
1,2,3,であった血液。
そこに始まりなどなかったのだよ。
無色の森の遠近法。並木道を抜けて、
そこで再び得られるはずだった言葉。
虹など架かっていなかったのね。
口づけ、に触れる大気。雪の蒸発してしまった、
石に咲いているのだね。この遅れが
閉ざされてしまって、粒子の中に。
水の中に咲いていた水なのよ。
足音と足音の震える領域。響く弦の器官。
穂羽で飾られた、このスクリーン。
鼓動さえも、満たされることのなかった。
そこには言葉などなかったね。“Cheek to Cheek”
静かな夜のための連帯。視線の、折り重なる架線。
イクオルの等符号で結ばれた、血脈。
でも、結ばれていたのね?
手をつないだ、手を離した。無色のイマージュ。
無限の目の開くところの、地平。
ここで踊りませんこと? あなたと。
花冠から、この無垢の夜まで。
澪に閉ざされてしまった、口づけを。
でも、わからないのだね。
シルクに触れていた、その指を辿って、
かつてあったことを、廻っていく。
でも、わからないのね。
折り目の異なる次元。眠らない魂のための、自存する夜。
頬を寄せあった。鼓動さえも、あなたと。
記憶の、真空。水辺の散っていくところ。
窓辺に手をつなぎあった。“Cheek to Cheek”
起こったこともないことが、廻っていくのよ。
降る雪に被われてしまった、無垢の輪郭。
言葉に見放されて、忘れてしまうことを。
吐息の白の連動。半身の薔薇の、音差。
ここに、歌声があったね。
その、一人称の生であったイマージュ。
灼かれた肉体の、震えた器官。
言葉などなかったのよ。
失われた粒子のための、運動性。
夜ごとに出会った、ある花冠のスクリーン。
肉体などなかったのだね。
何もないもののほうが、ここでは多くあるように。
重力を結びつけて、足音と足音のたどる軌道。
次元を溯る、花弁に似た交感神経の連なり。
抱きしめあっていたように。一人称の生のなかで。
再び踊りませんか? もう、ここで。
ステップを踏んで、言葉を。残された骨を摘むように。
かつての視線の等号。無垢の半身=半身。
羽をこうして落としながら、廻りゆく夜。
あなたが踊っていた日々も、言葉も。
突如づけられた、太陽の、無限の呼びかけ。
それが始まりではなかった、言葉。
なにも起こらなかったことそのものの、体系。
踊っていたのですね。 すでに、そこで。
水奥に沈みこんだ、吐息の形態。あなたの輪郭。
肉体に見放された記憶の、廻っていくこと。
黒と白の粒子の、朽ち放たれた領域。
あなたを覚えているのかしら?
蝶番の異なる大陸。複数形であった空たち。
鼓動さえ、満たされることはなかった。
かつてあった視線のための、無垢の統合。
遠近の森を閉ざしあう、血脈の連帯。
あなたの、踊っていること。
終わりのない1,2,3,であったイマージュ。
降る雪に被われて、口づけではなかった半身=半身。
あなたと、再び得られるはずだった言葉。
折り重なった花冠のための、渚。
重力の異なった、この夜の傍ら。
かつて起こったかもしれないことの、黒と白の追憶。堕ちゆく音差。
虹は、架かっていたのかしらね?
夜ごとに失われた魂のための、運動性。
イクオルの等符号で結ばれた、祈り。
すべては、ここで起こっていたことだったのだよ。
秩序づけられた、粒子の氾濫。
白光の先で綴られた、水の中に咲く形態。
いなくなってしまった、虹彩の記憶。
雨は、降っていたのですね?
太陽の、重みを手放してしまったこと。
溶けた声の浸み込ませていた、かつて無垢だったものの土塊。
この外で震えていた、胸の弦の器官。
起こってしまったことでさえ、廻っているのね。
(逃れ去っていた一人称の重力=沈黙。)
再び踊りませんか? それでも、ここで。
複数形の空の、閉ざされてしまったこと。
黒と白であった、手と羽のイマージュ。
ワルツを廻るように、あなたと。
異なる大陸を渡るシンコペーション。
分割された原子の取り戻される色彩。
太陽の、咲き乱れていたこと。
言葉とともに、口づけさえも?
ここには歌が、あったわね。
放置された、輪郭のあいまいな肢体。
あなたが、触れあったこと。
言葉が、あなたを廻り合わせるのね。
“You Were Never Lovelier”
ステップを踏んで、鼓動を。窓辺には、花を。
抱きしめあっていたように。一人称の夜のなかで。
暖かい頬をよせて、並木の向こうへ。
“Fleurs”
燐の粒子のなか、見開かれた眼
それは集散した澪、または錯綜
群島を渡る蝶の翅、それは紫苑の花弁を縫い付けて、
あなたの石膏の皮膚を開始する
燐膚のなかの冥府、そのひとつの眼
それは薔薇だったのだね。紅の、
破水に増幅された千代の花々
すなわち、あなたの語られぬ夜の、臨界
黒鉛で描かれた竜胆が、その層を照らす
あなたは、けして皮膚の軌道を横切ることはない
その、溶ける沈丁花、不実、の細い灯り、
裸足のまま横たわる 冷たい息の上を
吐き出されてゆく牡丹、ひとつの同系色
それが、言葉だったのかもしれないわ
百合の輪形、失われた顔の、花の輪郭
翅のゆれる感触と、罌粟の細胞群
それ自体で記憶となった、ひとつの冥府
それが、あなただったのね
動かない夜の、分散する水流
花糸から溶け出したイマージュ
かつて皮膚であったものの、残骸
粒子の傍に横たわっていた、夏至の弧-線
あれは、あなたのものではなかったはずだった
躑躅の糸の裂ける、子音
あなたの裸子のままの夜、複眼の視線
水冠に共鳴する、吐息の夜の連奏
あなたの逃れ去っていた一人称
それは、あなたに起きたことだった
胚珠に流されていたのは、あの島々の灰
軌道を遮ることのない、無垢の同系色
向日葵という名の器官はあった?
ただ翅のゆれる感触、罌粟の記憶の形象
あなたの傍らに横たわっていたのは、繭の、器官?
薔薇の子宮の、ほどけてゆくイマージュ
蝶の皮膚の腐蝕 不実、の
あなたの、結ばれないこと
花々の無限のうちに、朽ち果てること
組み重ねられた太陽に灼かれるそのうちに、住まうこと
無垢の、薔薇の粒子の氾濫、皮膚に落ちるその音差
ただ、あなたの子供たちだけが……
それ自体で記憶となった、眠らない器官
写真を撮ったね。向日葵の咲いたこの庭で
かつて出会ったのは、その言葉
胚珠なき水、骨なき葉脈、それは、
誰が、語っていたのかしら?
夏の大気のなかで、あなたの子宮のままの視線
蓮華の花を摘む鼓動、まるで呼吸をするように、
連綿と秩序づけられた、その雨声
触角に触れて、あなたはイマージュを写真に撮った
あなたは、愛することはない
茜、茴香、銭葵 花々と、数々の糸を伴って
皮膚の地下層へ溶け出してゆく一群の蝶の群れ
逃れ去っていた心音の、空間 一群の夜
あなたの裸子のままのイマージュ、鏡に満たされた複眼
かつて無垢であった花々の、灼かれた灰
なにも起こらなかったことそのものの、体系
未だに開始されたことのないもの
あなたが、愛することはない
それはかつて太陽であったものの、残骸
そもそも、光などなかったのだね
水のものとなった重力の、蓄光
でも、誰が語ることができるのかしら?
百合の輪形、失われたあの顔の、花の輪郭
破水に収められていたのは、ひとつの蕾
絶え間なく花を放つ その身体の無限のうちに
またひとつひとつ花を摘んでゆく
それは集散した眼、または燐光
あなたの翅の感触に、かつてあったこと
子供たちから溶け出したイマージュ
なぜ、愛し方がわからないのですか?
花冠の重なり合う細胞群、縫いつけられた吐息の繭のなかで
錯綜する 鏡のなかの半身と、複眼の花の記憶
すでに受肉した蕾、それは折り重ねられた永遠の
かつて、出会ったのは、その花
教えてください なぜ、あなたの愛し方がわからないのですか?
躑躅から増殖する夜の空間を抜けて、延ばされてゆく
それは千代の群島、あるいは、陽光の義眼
胚珠なき花の形、骨なき器官の運動性
あなたが、そのイマージュを、写真に、撮った
それは、言葉だったのかもしれないね
この視線から続く、水平線の空間
夏至の、海のなかで燃える小さな、木漏れ火
無限の花々のうちに、朽ち果てることのないこと
爪先の奥から雨の落ちる声を聴くこと
けして裸足のまま、あるいは糸を伴うことなく
それが、あなたの、結ばれないこと
言葉の綴りのない、稲穂の焔 夜に咲く形態
夕顔の蕾む、そのうちに、またひとつの澪
花々の群像 その廻る黄道の遅れ
誰が、写真を撮ることのできたのだろうね?
蝶の翅の感触に、かつてあった、光のなかの夜
無垢の、氾濫する繭となったイマージュ
誰が、あなたを愛することのできたのかしらね?
重力に見放された花冠の、廻っていくこと
語られぬ夜の、臨界を越えて、花の咲くこと
それは連綿と秩序づけられた皮膚の再開
石化する言葉のなか、見開かれた盲目の花
花を放つことなく記憶となった、ひとつの冥府
燐光の、永遠を失いつつ、逃れてゆくこと
横たわるあなたを、再び迎え入れること
“Cain=Abel”
「水の中に落とされる、彼女の命名
傷痕の赭に、朽ち錆びる時計」 沈黙の、
こごまった「水深の中で、娑羅の、 「二人に科せられた名前
だけど、声はここまでとどかないまま」
太陽に背いている 白い、腕「咲き」の
二人には、ふるえる、水」 盲目の花」
「あなたには沈黙を与えられた
シフォンのたなびいた、ひとつの、失効 赤すぎてしまった花
ほつれていく、「心音と 「その狂花の中の砂塵に、
似た名前」
この赤いのは、あなたの素肌、」そしてこの「赤いのは……
梢に滴る、写しこんでいく」光線をとりあつめて、
「そこは海だったのだと、あなたは言った
きざまれる、秒針に、私は換えていく」
でも、それはあなたがこたえよう」としなかったからなのだ
「散沫に乱されていく、 ここに白い灰を」植えながら
あなた」の肌の隙間から、じきに、 「望まれぬ夕べ、子供のころの、
「暗い砂の交叉にかき消されていく 彼女の「咲き」
あなたのもので「あった、赤い肌。樹皮には、この土、
互いに導きあった、世界の、慟哭 「 それは発せられる」匂いに似た
僕らの、一握する呼吸」 私たちの街に、世界が焼けていった
「僕らは、左手にいたのだった 枯れ果てた名前を、摘むように
シオンの園に眠りながら」
僕らの、右側に見えたのだった あなたのものであった」あなたと、
もう、「見ることのできない、 血管の」繋がれている
「地平線の、腕のなるときに、切り落とされてしまっ「た
光彩の深い、波打ちぎわに、咲 それは偏差となって、河となって、
盲目に赤すぎてしまった花、沈黙」 微笑と軸とに、
あなたの断裂した、世界 血と、この混血とに
空-殻の層に落とされていく」 金属の、響く周波に、私は換えていく
「二人に科せられた名前、 「いくらかの罪を、
あなた」は知っていた? 赤砂の振動へと分けて、」
ふるえる、水 「でも何故、」
「あなたの所へと、近づくことなく、 それも、
対流の交換することも「なしに…… この言葉、
「僕らの、堕胎する言葉たち 彼らは、心音を分けてしまった
あなたの断片 それも、「どこかしら、声の鳴るような
剥き出しのまま執行される、 水抄を、船の「後方へと
あなたのものであった「素肌 それはすべての、不死鳥の羽根」
だが、そのあなたが、 「何を、このものにしたのだろう?
時効なき名前」 巡る砂塵を、体温を、遠ざけるように、」
混迷を」 楽園のものである鳥の、「血脈にしたならば、
何が、この刃を振り下ろさせるのだろうか」 灰の奥の、
開かれざる眼」 あなたの沈黙と共に与えられた、」
花の名前」 二人に科せられた摩滅」「少なくとも、世界
それとも「暁だというのだろうか」 切先に映る、
あなたの存在しない「はずの風景 「肌の隙間から、「じきに、
流れ出してゆくのは」、 時の音する名前」
「海であった、二人の、「呼吸する交線、その先がふれ合って、
散らばってゆく、ひとつ 停まり、また沈んでしまう」
記名なまま、太陽に背いて」
それらの灰の積もる「ところ 「僕らの花の痕
握り合うままに、消えていった、」 「焼ける、その煙を吸って、
僕らの、赦しあう子供たち 「肺の中の痛みを覚えている
不死鳥は」、あなたに殺されていた すでに、「
血が土の中へと、 「それは浜辺へと達する前に
あなたが背負わしているのだ 」樹に括りつけられもせず
水の中の、「空間の広がり いくらかの種が腐り、「落ちてゆく
一握の、呼吸 散沫、は 「送り返される」
(どこへ?) 僕らのこの場所へ、飛翔していった
(この?) 砂のどれか彼方 「特異な色彩」
それは、あなたが仕向けたのではなかった」 その言葉、
誰のものでもなかった」はずの光景 」僕らの断裂した生地
「あなた」の赦されざるものたち 「 それでも、
私は秒針を換えていく」
微傷に侵されていく、 「水につけられた肌の延長を、
波ぎわを、保存するために 科せられた花の名を、摘むように」
ただひとり、あなたがそのものの姿であるような、 花の
秘められた言葉」であるために、 心臓を分け与えて、」ここに、
「海を、 あるいは土から」聞こえる声を、かき分けるようにして」
途絶えられた、この」時 迎えられることなく終えた傷」
とどまり また、」 「遠ざかってゆくように
あなたから…… たとえ」、(鎖に繋がれていたとしても)
時効なき不可分の断絶 は、 何を交換したのだろうか?
接木されていた 僕らのあばら」骨から、 「砂塵の方角に
それは「すでに 予期されていたのだった
「花々の献体、 それも」、あなたが枯れ果てた名前」を
摘むような仕方で 傷つきながら」吐き出されている花弁
あなたに」赦されないもの 「呼吸していた器官の
同一の」存在 「双性の皮膚、心音 あなたの」奇-児
海で「あった、二人の、 地肌 「の、摩滅
それでもあなたは憧れていたのだった
再びこの場所へと、」 近づくことなしに
灰の中から、残された骨を、沈黙を 」選り分けるようにして
世界の「微笑する花 盲目によって」 背けられた
あなたの「断裂した、世界 いくばくか」の光線
シオンの園を廻りながら」、 その体温を、遠ざけるように、」
「いくらかの罪を、 「あなた」へと、
そして僕らのザイオンへと、分けるように」
"Collusion"
怪物じみた花 それも多元に、神経を分断する細毛を
蜻蛉の体内で、その鱗形を駆使するような、この生の仕方
これは種を撒くのではない むしろ螺旋を巻く動脈の脈打つパルスが
地肌を、それも枳殻 桔梗 竜胆の極めやかな声のテンポで
ただ滑ってゆくものがある ただそれを区別しなければならない
咆哮の打撃と、あなたの彷徨する方角とを、この濃厚な蜜の瞳孔の
鏡において開かれるような、その切れ目を刻む鋏の、密輸する襞の
うち伸ばしてゆく身体の傷口 あらゆる花の根茎の閉口 蘭の中に
満ちる線香の数式のような方形 あなたの肌理の、つまりは
メビウスの輪形に触れる指先の感覚から、その間隔へと
立ち上る花に、自ら喰らいつくような輪郭の造形、しかも、
爪の先からたれる果汁に、あなたの意識が取り壊されるような
その、蒼白な影 その、隣接する白い深淵の観劇と、
屠殺される氷原の蒼ざめるカルマ 血流を抜き取られた果実の幻想
惨劇 を、見つめるあなたの無垢 それも腕を切り取られたばかりの、
どこまでも深く沈降する、イマージュの無化される器官めがけて
広がってゆく明白なその震源へと、彼岸を渡り、鏡の湖畔へと
縫い付けられる それも雨の降るように施行される、波状の抜糸
あなたの根茎への逃避行 その水芭蕉のごとき場所 傷口の腐食する
身体の、響き渡る阿鼻叫喚のための蜜の過剰、その、群がる蝶の摂取する
多数の性の細胞群 千切れたままの素肌と、果汁の彩血との交換
したる雫の散抹は、それ自体で新たな結合子を、表層の開口部から
その背景にある感覚へとあなたを連れ戻そうとする、それも比類なき
有翼の意味において、雨の晩に吐く息に潜在する河川に、うち棄てられる
片腕に咲いた花束に、群がる黒血色の装飾 つまりは、破片の縁に
取り付けられた憂色の破線 皮膚の表層に秘められた断面図の交感、
そのような身体を包み込む糸々の軋む喧騒、あるいは、断頭台に
首をゆだねる白鳥の咆哮 嗚咽 その、喉から洩れる汚水のなかで
揺らぎ孕まれる、あなたの次々に分裂する炸裂する意識 まるで
神経の澪を抜き去さるために、惨劇を引き起こす眼の中の
蠢く小さな精液の塊 それも熟れた果実から放出される器官を
貪欲にむさぼる群性の旅団、天輪のごとき瞳孔の開ける形跡、
曙光の裂ける追想、もしくは、物質性の記憶 月輪を蝕む
陰性の雨音、窓の外の空間的差異(ディアフォラ) ただし子供たちの
戯れのように、ビロードの生地を表皮へとトレースする仕方で
分断されてゆくのはこの種-子、鏡の砕け散るひとつひとつに
写しこまれた蝶の存在 翅の羽ばたく、それも、傷口から
搾り取られる蜜のさなか、あなたの記憶の首 を、しめるイマージュ
幹細胞から生み出され、血小板から沸き立つ花々 それも
心臓の絶え間なき鼓動によって、夏至の太陽を喰らいつくそうとする
歪み有る性の尾翼、翼燐の構造を起動させる彩-血の群体
そして世界-内-胎内の循環器系に廻ってゆく、その体系のなかに
突如打ち鳴らされるザイオンの晩鐘 だがそれは動脈に見出される秩序なき
群蝶、その落とす翅の一片に過ぎない! 有翼の共同体は
受肉する器官を失いながら終に、鏡の深みにまで到達する それも
この窓を叩く雨を失効させる時間のうちにおいて、複眼のうちに
突き刺さるようにして成る、無名の花々の種-子を孕みながら
だが、どの場所へとその受精する卵は生えそろうのだろうか?
あなたは夢想する この混花-秋桜(カオズモーズ)の咲き誇る千の高原(ミル・プラトー)を、
蝋のごとく流れ、一過の白い深遠となって海へと生成してゆく、
その飛沫のごとき遊牧者(ノマド)の姿を 地を踏みしめ、混花-秋桜(カオズモーズ)の香を充実せしめる
機械仕掛けの時間のなかで戯れる無垢の子供たち の、イマージュ
それは無人の島、つねに外延を欠いた輪郭、メビウスの輪をなぞるように
持続する海流 鏡の表面にトレースされた晶洞 その結晶の、純粋な「彩」
チェス盤のモザイク模様に振られる骰子、その隙間からまた結晶が生み出される
この群島は収束する それも、水の中の海の無限に 落とされる種子、
錨を表面に降ろしながら、新たな桝目を海路として、生成する花弁
ここには誰も住まうことは無い たとえ詩人さえも
あなたの瞳の、想起される海 無花果の樹の一本なる、追憶に住まう孤島
「無い(nein)」の絶えざる眼差しから、花咲いたのは深紅の薔薇
遊牧者(ノマド)の滞留のさなか、それも賛美歌から見出されたように
分け与えられたその火種 すべての予告された者たち に、
もたらされる日輪の果実 しかし沈黙によって、その虚無のうちに
故郷の深い森 その、異邦のものの黄昏 かつての蒼空のなかで
花々の戯れが、あらゆる幹を分割する 石化した秘言、その、花咲く罌粟の散逸によって
海流は再び回帰する あなたの閉ざされる眼に あるいは、子午線を経由する記憶に
ただ鏡面だけが、その据付けられた世界の蝶番を外してゆく
あなたの夢想する平安 だがここは錯綜する、混花-秋桜(カオズモーズ)の園
怪物じみた花の体系 その、乱視のごとき「彩」の光景 そこにあるのは
汚血の差し向けられる身体、白鳥の翼を失ったニケ、その飛翔に沈む難破船
そして狂乱するあなたの、神々
突き刺さるようにして生る無記名の花々 それも種-子を孕みながら、
複眼のうちに、この窓を叩く雨を失効させる時間のうちにおいて 受胎する
器官を失いながら終に、鏡の深みにまで到達する 群蝶
その落とす翅の一片 有翼の共同体に突如打ち鳴らされるザイオンの晩鐘
だがそれは動脈に見出される秩序なき子宮-内-世界の循環
その体系のなかに歪まれる性の尾翼、翼燐の構造を起動させる彩-血の群体
心臓の絶え間なき鼓動によって、夏至の太陽を喰らいつくそうとする
幹細胞から生み出され、血小板から沸き立つ花々 それも
搾り取られる蜜のさなか、あなたの記憶の首をつかむ、鏡に写しこまれた
イマージュの存在 翅の羽ばたく、それも、傷口から
分断されてゆくのは、この種-子 鏡の砕け散るひとつひとつに、
戯れのように、ビロードの生地を表皮へとトレースする蝶
陰性の雨音、窓の外の空間的差異 子供たちを迎える曙光の、
裂ける追憶、もしくは、物質性の記憶 月輪を蝕む群性の旅団、
天輪のごとく瞳孔の開ける形跡、蠢く小さな精液の塊、それも
熟れた果実から放出される器官を、神経の澪を、抜き去さるための惨劇
眼のなかに揺らぎ孕まれる、あなたの次々に分裂する炸裂する意識 まるで
首をゆだねる白鳥の咆哮 嗚咽 それは喉から洩れる汚水のなかで
身体を包み込む糸々の軋む喧騒、あるいは、断頭台に取り付けられた憂色の破線
皮膚の表層に秘められた断面図の交感、身体に響き渡る蜜の過剰
その、群がる蝶の摂取する片腕に、咲いた花束に、黒血色の装飾 つまりは
破片の縁にうち棄てられる翼 あなたの吐く息に潜在する河川、その背景にある感覚
したる雫の散抹は、結合子を新たに表層の開口部から取り戻そうとする
多数の性の細胞群 千切れたままの素肌と、果汁の彩血との交換
あなたの根茎への逃避行、その鈴蘭のごとき場所、傷口の腐食に
縫い付けられる波状 それも、雨の降るように広がってゆく
明白なその震源へと、彼岸を渡り、鏡の湖畔へどこまでも深く
沈降する イマージュの無化される器官めがけて
惨劇 を、見つめるあなたの無垢 それも腕を切り取られたばかりの
カルマ、血流を抜き取られた果実の幻想 その、蒼白な影
その、隣接する白い深淵の観劇と、爪の先からたれる果汁に
あなたの意識が取り壊される 立ち上る花の、自らに喰らいつくような輪郭の造形、
メビウスの輪形に触れる指先の感覚から、その間隔へと
満ちてゆく線香の数式のような方形 あなたの肌理、つまりは、
うち伸ばしてゆく身体の傷口、あらゆる花の根茎の閉口 蘭のなか、
鏡において開かれる、その切れ目を刻む鋏 襞の咆哮と、あなたの彷徨する方角とを、
この濃厚な蜜の瞳孔に示すように、地肌をただ滑ってゆくものがある
枳殻 桔梗 竜胆 それはひそやかな声において、ここに種を撒いてゆく
螺旋を巻く動脈の脈打つパルスが、蜻蛉の体内で鱗形を駆使するような、生の仕方
怪物じみた花 多元の神経細胞の連なり、混花-秋桜(カオズモーズ)の純粋な「彩」
窓の外には雨 ただし鏡写しの、ただし子供だましのような共-身
フレーミング・セックス
Re-If=Re-In
人,[幾層を翔]ける向こう岸の,(つぐんで_わけ
いった=あなたの,階-翼),どこ/までも,記憶
の枝をつぐむ,(鱗の)変わらない,ちる,{のよう
に,美し}い人,あなた,ここにいない言葉,人,の
ような,あなた,の/Sein>鉱石‘)だった;もの,
の,恒=星,《返って-針に,突き刺-去った(まま
,_あなたが,口の,開くよ|うに,人,蝋燭<を回
り続ける抜>け殻の,りゅ,う,焔「硝,森に違う`つぐ
み,くちる``,監視-感,み・ねる;あな(た,の,葉_網の,
構成》,シイの,よう「に,しとね,待“った,魂」の
〈淡=シ季〉,のように,あなた,「野」,交|感色,ここ
(にいな)い音階,人,のような,身_体,あなた,
しい,,に・:^ここ<蝋の‐-Signe>シ|用・法
___わけいって‘’あなた?)の}「名前^/衛星へ|
ぬけるヒナゲシ | の | 花 |,は反復_される,つ・・み,
,つつやかに,下っ<てゆく>,約束のレンズ,く,(する),
岸,の‐ような,あ/なた,ここに,<花の名);あった,
対/角線上に制/御する,大海が隣(接)に,み,_錆びつく
_氷砂糖_,りつ,ぬけてゆく,ぬけてゆく,‐朗読‐者,
のような,あなた,;_が,否||こうリュう」することの
-ここ“にない破調,身=かぢく,分流>:あなた,の」
名・前に,『住まう,淡-視,/国境線/,延”命する露地,
●シイ,が把握・する,人,「ずっと,ずっと」,色蝋の,錆び
・ついた_星座の,旅-線・破=線,が,シい,《ヒシ》,非
/子,「紅かった」,鏡張・の,『森‘?,(たっ__つ,感<受性>,
のような,シ:キの,偏|在,(クル),叶わぬ<こと>,のような
,「 」しい人,誰かの)・あなた,{ここに]いない( )言葉,
;しよ?:ぬけて――でも,遅}すぎた・ね,"めくれる腕の,
痕"跡に【残った】川底に,<りぃ><りぃ><りぃ>,シ音を,
たたく,(あ)たらかに,3つ,だった=こと,タ・メつ,つ,
あなた,が_廻り)続けて,咲|き(ついた)殻=だ・った,
胡桃がける,裸足,のように,「冷たいね」,と,不拍子に,さく
,『方:角,‘頬の>跡に,残って【いった】,Re- Signe,約束
<?,のような,美しい人,あなた,黒-み--がかった秒針の,
カラミごとに,`あ`ねる,むネ,抜け;てい;く,肌=シ,の:ままで
,<無>形の,擬=性,つ・む,先の,シらまる,ひと|と
つに,束を放つ,触れない・期』限,円すい状の,"洗浄液"
に,誰が,トけて「シ身,絞める,や>眼,残らない“で;
「冷たい」・森,ふり,{返る},遅す-ぎた,のような,】,(だ
けど,Re-in,?あ,ぁ;「なにが?_あなた【が,ほしか
った>?_天」使の,交換=感;打ち接がれた<掌),【あなた
の,Re-If=Re-In,反-復,:され,ル,魂_の・場』所,
溶『ける腕,目;覚める咲き=かけの,使用感,re|in-side/
つらめ,〔つ〕らめ,「紅いよ」,その,_未-明;シす,録画
(される),星座野,それ,黄*黒***青]咥えたシステム』,りっ,
Ri,り<叶わないで|,○ほしかったの_みな>罪,堆|積する
,起^源,あなた・の・シト{しと,ひ・(・視,くす),あだしの,
のように,散・跡する,フォルマション」,通り}雨の,拍=子,
だった”,あなた,“不-視の,影|を閉「ざす_氷,の-中の
「孤,しぃ,( )よね?,ヒシオリ,道__{_標の北極星,求心性
の,あなたの_/胸の[秒|心,つぐまれ;たのね=傷の先,い"く
愛しみ,繚乱して,」,目覚”める{咲きかけ,の},おと=ね[?,
ヒト]つに,重ね,/制/御する,子=葉,待つ,か,{が声,犠《牲者》
(?,[羅針症,アルキさ]える,響き,<ぽし>,しみ,ヒいの,
のように,美しい,』時と,ヒシに人,あなたの_胸の・奥で,
黒( )ミ/が・かった,線-状”の,焼け「野」,から,“ここ”
に__(Re-Sein」,束を<放った,’叶わ“ない/こと,|もう|ひ・と|つの≪Re-ぃ>
(だけどおそらくは君の眼差しを経由している……)
そうとして、僕は僕のあまり動かない指すべてを使って五つ空間を群生させる。つ
まりはその漣痕を見つめて、僕は君の破壊したのではなかった言葉を待ちわびなが
ら、まぶたの沈みの方へと再び書き加えようとしている。
詩の恍惚の裏切りさえも逃れて、僕は代わる代わる脚韻を拘束する。その肢体の
片側から伝う譜線にのせて、僕はそこに子音を交えたかった。君の安息のため白け
てしまった「死」をいっそう紛らわせるために。五譜の裂け目において闘争する獣
達の名を、墓碑の石にあらかじめ書き加えておくようにして。
天使の膜、 それはとどめない。
それ
を、 土の上に残すこともしない 。
だけど白い地肌 の、煤けた
くぼみの内に、 いったいどれほどの、
柩。
季節の反復のなかで、僕は互いに違う音階をめぐらせる。埋葬された鳥の嘴を閉
ざしたまま、話されることもなくただ血管の中を海が流れていく。手首の先までつ
ながれているこの剥き出しだった心臓、あるいは同一性においてこごまる時を、過
呼吸によって僕は調律する。
すでに肺となったテクストを侵蝕する僕の『埋葬された鳥』と呼べるものと、あ
るいはそうした運動に執拗な緩慢さを伴いながら詩の形象を交える君の視線とは、
海を支える砂の重さと分かちがたく結びついている。
柩の中、灼ける 日輪。
その 残照をしたがえる、 わず
かな羽根
にまで 細波は沈み込んでいく 。
息を 吹きかけて
。 ちぎることを。
冷たく、かくも開け放たれている床の傍らで、代わりに僕はかつて僕のものであ
った肌のイマージュを解放したいと願う。それも雨が路樹の枝を弾くようにして、
僕の鼓動(あるいは君の)シラブルを無視することなしに。
僕が立ち会った季節の日付にうかされながら、左手に向かって掻きむしったのは
散開として番われた断片のあと。水腫とでも砂塊とでも呼べる音域を指定する君の
残していったパロール。あまりにも不釣り合いな僕の断念の余白を埋め合わせるた
めに掘りかえされた『埋葬された鳥』。
五線譜の膜目から挿し込まれる二本の陽光のイマージュ。(だけどおそらくは君の
眼差しを経由している)
閉ざされぬままの 燃ゆる柩。
それはとどめない。 どこかで、
葉枝をかさねている 。 あるいは
樹皮が、波にさらわれている。 それが
もし、 言葉でなかったなら
この余白の端から片端へとインクの紙魚を行き渡らせて、僕はこの譜線と視線と
の交わる地点に新たな「死」を黒く塗りつぶす。やがて巡る天使との契約を、君の
瞳の上において再び結ぶために。冷えきった僕の指先と触れ合った君のすべての指
のイマージュとが、象徴の名を告げる音素の一続きの五線譜のものとなるようにし
て。
(僕はいかなる眼差しの練習をするのでもない……)
しようとしている。その透度の何処かに口づけされ固まることのできない僕自身を
告げる色の灰。喘ぎ、吹き込まれた息の数差は複眼となって砂に写される君の選ん
だ場所を残酷に暴き出す。
不在の過去を冠するイマージュだけが「純粋」の内に身を殉することになるだろ
うと僕は感じている。それは食べられる僕の骨髄を埋め尽くす君との対話によって
、あるいは―――「どこか別の場所で話を続けていてほしい。」―――「砂岸
の要求に体温を奪われながら、その微かな息によって硝子が溶け出している。」
―――「君
が破壊した距離の奥底で横たわるだけの果実。」―――「ふれて咲く、
みのりの......」―――
まどろみに引きずられて独立した僕の象りに口をはさむ権利はない。そこに連ね
る君の呼吸となった感情に別の名前を与えようとしている詩行は存在してなどいな
い。
切りつめた君の髪に留め置かれていた蓮花をいつの間にか僕は排してしまった。
「並木。」―――と言って連立する君を加速させて、夕立の激しさのうちに霞めて
しまいたかった。―――「たとえば、湖水に次々と開かぬ種子を投下させ
ていくことの愛。」―――「
。」―――「
。」―――
追憶に先立つための夏の朝さえも、おそらくは君の見えることのない視像のパラ
レルな無起源の形式でしかない。だけど僕は君の眼の縁取りを思索する最中にあっ
てさえ、二重化された言葉―――「ここに、ない...」
―――に、触れてしまわぬように
して別の名を重ねようとしている。
―――「支柱の裂け果てた亡墟となってしまった僕の手に触れている文体。」
―――「描かれるだけのために繰り出される湖岸の風景。」―――「乾
かぬうちの鮮血は歴史を通り過ぎることをしない。」―――
「僕のインクの滲みをペンの先で取り繕うだけの叙述はいらない。」
―――こうして食いちぎられ果てられた詩行は、
君の華奢な曲線の打ち捨てられた形式を獲得する。
流し込まれる血晶によって編纂される君のイマージュだけが、夕立を背景に広げ
られる惨劇にとっていっそう好ましいと僕は感じている。「純粋」の存在形である
湖水よりも早く砂の奥底へと染み込んでゆく(流木に付随する)小枝のパロール。
けれども、いかなる犠牲をとっても「純粋」はその胚種を僕の記憶にまで沈める
ことはしないだろう。
君の身体に潜む周縁のそこに、僕は僕自身の残る熱温を押し止どめておきたかっ
た。詩の地政学に最も適合する『白布の覆いをかけられた湖面』という隠喩。不揮
発性の群生を背負う、夏落ちた雨に舞い込むような君に覆われた樹皮。
―――「君の脅かされた言葉の放つ温度。」―――「外れた調子でどれ
かを語ろうとしているの。」―――「たしかに君は僕の重力を万有していた。」
―――「 。」―――「
。」―――「
。」―――
蓮花の内部から送り出されていた白亜の等級。つまりはここに生殖を交わすこと
のない発音。あらゆる隠喩に犯された肺のなかでさえ反復する君の視線の繁殖を食
い止めようとして、僕は僕自身の息を殺そうとしている。
僕はいかなる眼差しの練習をするのでもない。ただ君の皮膚を纏うことを紙面に
浸み込ませるのでもない。夏の叙述に穿たれた花々を僕がおそらく見つめていたこ
とはない。それはむしろ僕の鮮血をもって完結されるべき否定形の風景。
―――「君にちぎり/とられること。」―――「許されうるだけのあらゆる回
想を僕の心臓に接木すること。」
―――「振動として流れる白い灰を君の珪砂と
して選びとること。」―――「
Meridian Circulation
けれども眼の前に横たわっていたのは、それとは異なるまたひとつの亡国だった
国境線の外側で私を待っていたのは、灰色い顔をした死の天使ですらなかった
そこでは沈黙と不在とが、鉄条網のようにして僕たちを距て分けていた
線痕から引き延ばされた樹脂が、手紙に蝋の封するようにして
あなたの眼の周りを固く閉ざしていた
永遠を眼にすることのない事実が、安らぎであるとさえ思えるほどに
芽吹く 季節にあなたはいった。何も持たず、ただ
私の立っている場所を唯一の目印として 何も残さずに
そしてそこに書かれるべき形象は何ひとつ存在していない
哀しみ それが私だけのものであることを、他の人達は忘れているから
かつて 私達が歩いていた生垣の道には見知らぬ兵士 こちらを見つめていて
たえず 私に向かって請求し続けている―――通行許可書を
あなたの生は、もう可名性のもとに存在していない
それは束ねられた花々の下にうずくまっている
そしてあなたは時々私の所にやってきて、
まだ私の知らない木々の名前を教えてくれるのだろう
あなたの死に先立つ前に、私が見たことのない人達が 縦軸にひかれた声と
横軸につたわった涙によって、さほど取り集めのないイマージュに絡みとられていた
「食料はまだ届いていません。」
「私達は銃など持っていません。」
「弾はとっくに切れてしまいました。」
「明日には此処を出てゆかなければなりません。」
「でも、私達にはその理由が無いのです。」
私が国境線に待っていたのは、彼らのためでさえなかった
彼らは葬儀に間に合うべきだったのだ たとえ周りの木陰もろとも、焼き払ってさえ
こうしてあなたのしわがれた手を握っている私は 蔦の絡み合うようにして
鉄格子にしがみ付いている いつかの風景のまま、子供のように
そこでは沈黙と不在とが、鉄条網のようにして僕たちを距て分けていた
その隙間から眼差しは遠く及びもしなかった すでにあなたが眠りについてしまった後では
私が通行許可書をもっていたことさえ あなたに欺かれることなしに
哀しみ と、イマージュさえも何ひとつ残さぬよう固く、それは閉じられたまま
私の向けられた国境には、あなたに手向けられた花々もまた、何ひとつ存在していない
Musica Purgamentum
貝殻に含まれていた「しんでいけない」と嘆く
それに、腕が二鎖
の塩基配列になって絡み付いている
磁鉄鉱の硬度のように携帯できる広告となって
それが何処からか剥がれ落ちた大き
な破片であるとさえ思っていた
ただ隣接した地肌に イオンの濃度が高まっていることを、
「さようなら。君の奇形児。」
でも、僕らはそれを丁寧に拭き取って、
ダンボールのなかに置きっ放しにしてい
たことが嬉しかったんだ
僕らから君を取り集めようとしても、
見つかったのは永遠、
それも、意味
の持たない永遠が、それを代わりに再生されてしまう
浸透圧によって溶け出してしまった火星の氷の破片すらも僕らは飲み込んでいた気でいたんだ
僕らの部屋に降り注いでいたのは不器用な傷
を付けられてしまった衛星
馬の胎盤を僕らがその破れ目に吐きだした
ほら、それが
北側に飾っていた白い花の観念に似ていた
それは冷静を装っているけど、狂っている
かのような、微笑みを
君は永遠から取り出して
互いを知らない存在の、実験を取り仕切る
だけの、
正体を少し知る
水滴の表面に君の足音がうずくまることのできないように
赤いペットボトルが列をなして
それくらいの配給
を待っている
「私、こわいわ。だって......」
君と僕らが日々を乗り過ごしていた皿のうえに
お腹はすいていませんか?
胎細胞に蛾の沈み落ちてゆくよ
みたことがない
それを
隠すようにして、
僕らは困難な時にあってさえ、互いの存在を知らない
ままに、 それが何であるのかを見極めようとしていた
肺魚
が、産み付けられました
まるで化石から営みを掘り出したかのよう
に君の子
宮は汚泥の匂いしかしない
して、さえ、
僕の視覚は観念のパレードを廻り、
剥き出しの頚椎に青白く噛み跡を気づかせる
のは、そこ、
けして、色がなかったからではなく
液晶の水面となった感情がそれを食べている
雌鹿が硬貨を飲み込ん
で破裂してしまったよ
脾肉の軟らかさから汲み出した
僕らの季節に花々を渡して
からは、
毒蛾が僕
の背の高さまで闇を築く
だけの、それ
に、正体をまた少し知る
Avant Elimination (Take2)
のはカテーテル
が、庭園をすこし潜
り抜ける身体を結ぶ殻
から
代わり、に
僕は
あらわにひかれた
緑色の線と
卵とに、
花の象りをなぞっている
先に
いった
あなたの
それ
が、あなたと私のしの背
表し、
し、
本の気まぐれと、手
表し
雪とニッケルで
作られたそれ
ら、の巣
しゅの
撥ね散った水滴を狙うコウモリ達の聴覚の先に電車が一両走っている
なんで
窓枠からあのお
じいちゃんはこちらをみ
て、いる
こと、に色を
変えるカメレオンの牢獄から僕は逃れているか
ら白濁した君の入
れ、
は てた毒物が水を与えて
いるから、口
を縦方向
に、あける僕の
輪廻
を、かわし
身体のなかの、血のかよっていない一室
から、は
風見鶏はどの方角を示して周るのだろうか
あなた
は、しりたい
モーターは磁力の軽やかさを移用して
それの目と鼻は氷牙の切っ先に触れる
から木洩れ日が
外郭を切り取って
くれた花をそれに供える
よ、
カササギ
の首をへし折る
ランボー
ししゅうから色
さい、が
僕の混乱じみたシャツの観念に産気づいた
両足のそ
れに、紛れた
セラトニンを服用した
が、その肋骨にメモリ
を差し込んだ
コウノトリさん
Son? Or,
Sun
その僕
は
残酷に
も、息の消えるさい
に、神がその嗅覚に
悍ましい腐
臭をただよわせます
あなた
が、代わりにそれを使って運ばせるように
し、は
、しばし
意味に触れることはし
ない
し、は
いし
ごとに、モルヒネを
おじいちゃんのい
はい、に、
カササギを
とりどりに、とり
のぞかれ
ました
それ
が、あなたと私の
あらわし
また
うとましく、ある
いは、
明確な理由も
なく
輪廻
を、かわし
きみと
かみの
し、が
僕に安息をもたらし、
しますように
Plusquamperfectum-Manuscriptum
黒い非常線に浮かぶの、よ
君の黄色いざらめきよ
水をすうために生まれてきた息子
は、
隔たりをかきわける? 蜘蛛の形
に、似てしまった恋人たち
僕らの使い分ける___(と、性別を聴いていて、)
そこからは角膜を削られる稲穂と同じ、
燃えて崩れて激しくていきました花と顔
までも、触れられぬ雪と手をあげました
「ここがけっこう苦しいんだ。」
爪もあった 野原に突き刺します
リジウムの千切れた尻尾を奏でている
拾い上げたときだけを
ざらつく
格子戸からむき出しにする
眼の見えない巨獣___(時計、枢軸は時を刻まない)
断絶の中庭に抜けない針
蛾が、四角い色を巻きつけていく
蜘蛛の
糸でまねいた 遠出して
マーガレットしか
知らなかったあたしの、
水をすう ために生まれてきた子どもたち
(
革命の失われている記号。)
異なる音 縁の摩擦から逃れようとする
泊まっているし構えてした彼ら
布の張られた鉄杭に浮かぶのに
産まれたままの汚染されていました髪と蛍 あなた方の返却の晩
トロイに埋もれた火星の爆散したのは何故かしら、
ターンテーブルが雪崩に生え換わって
構わないで、スローモーションでイって
僕は君の黄色い体つきを確かめようとした
浮力を載せるように、シ
巨獸の爪を数えた
君の組織体
黒曜石の楽曲名、新宿は、音
羽音
歌舞伎の女王蟻
に、ひっくるまれて飲み
込まれたのは衛星状態の観念
嗚咽のナカの汚ならしい子、の
構わなかったノ、よ、あ
の木立には黄昏が舞い降りてきました。
ゼロ戦の迫撃砲が聞こえない
(夏の飛沫に稲穂は七色になる)
君のマンション、くるまれて浄水槽は、
獣の端は跨がって残さなかったのです。撃退された視線から
あったノ、わ。
射水から割れたらフレームが止まりかけておりました
ふえるし、
とびきれるし、
踏み出せるのだし、しのげるし
シのみえざる
君といっしょにいたいし、
君のないし、は、
狂わないし、
シのみえざるしの音
が、シテって君の滞留した死骸がつまれる
のは獣
愛された
大理石の原子のすり抜ける白亜の沈黙でさえ
も、僕らの絶滅した愛は駆け巡ろう
弦子の鼓動する指先の冷たさまでのタイムラグを奏でている
君のハート
Crusaders
雪原に沈み込んでゆく
私はその夕暮れを研ぎすまします
それは煙となって消えてしまって、
メトロノームが金属音を ひび割れのする方角に おくってゆきます
杉林の向こう側では
白く浸かった蜜蜂の群れ
私は記憶を震わせて耳をすまします
鯨の亡骸に蜘蛛が巣を張り巡らそうと、
君の残した紙片は 雪の形にして ちぎり取ってゆきます
その海岸線のどこかに私たちは座っていました
寄り添うようにして私たちは終わりを見舞って
雪にとけてしまった向日葵の光景でした
黒く流れてゆく鉄が腕と腕とを、
指をからませることなく二人を 身体のなかに うずめてゆきます
いつしか、空が水を敷き詰めた舗道に
肌を通りすぎてゆく水松と 君の残した可視的な何か
雪は夕焼けをその末端にすみわけてゆきます
水際に脚を焼かれてしまった蜘蛛の巣の震動と、
私の体温が蜜蝋に その姿態を すましていきます
向かい合う息を凍わせながら、それでも私たちは嬉しかった
咲くことのない花の終わりに焔をうつして
私たちは白くひび割れてゆく夕暮れの光景でした
二人の指を引き離す海岸線の 青の深淵
紙片がそこに 浸されるようにして
白の海域
全世界が溶解する
波涛
のこの海域に
はうる―――はうりんぐ(howling)
この彷徨し響き渡る遠吠え(howl)が
この空虚(hollow)―「乾いた井戸」・「干からびた、/陥没」に、 (余白に、)書き記される。
それは方向=意味(sans)を欠いた声として、この余白(blank)に
その波線を緯度と経度として土地に記される……すなわち、
詩の地勢(geo-graphy)を規定し――「白地図」とする。
はうる、
風が渦を
巻いていますその中央で
横たわっているわたしは
今まさにこうして
わたしはゆるやかに死にました
『とりろーぐ』
ゆるやかに死したわたしの亡き/中心の無き余白(marge)として書き出さされた地勢。
それはすなわち一人称としての「わたし」なき場、
私の終焉/周縁(marge)として規定された「他者」の姿を現す。
断片的に記された数々の言葉/「地球儀・「火葬する消火器」・「避難経路」etc...
しかしながらそれは既にイメージではなくその墓標とも言うべき徴=記号(signe)、
あるいはその破片(fragments)、断片=残余(remnant)である。
なぜならば、この咆哮=彷徨するもの―― [はうる、/あなたは/憶測の記憶であり/繁茂する水の/渇きでもあるから]
乾いた記号を
痛みだと誤認するのは、
いつも人で、
すなわちわたしだから、
わたしはわたしを
閉ざすことができない
円の中心に
たつのはいつも
水面の
ささめく波の
破片たち、
黙秘権、
を
行使しつづ
けて、
『Phantasmagoria』
水面のさざめく波が<ここ>に流れている(pouring)。ただ徴=記号(signe)が、
方向=意味(sans)を欠いた 「 沈黙」として咆哮が、
対話との対話を
繰り返す
『とりろーぐ』
イメージは排されている――― とりろーぐ=tri-logue に
無き「わたし」の眼差しの不在によって。
起こりはしなかった
眼路にそそぐ不在
場所しか
―――ステファヌ・マラルメ
この眼差しの不在の場であるこの余白、そこに流れているのは声なき声としての
「沈黙 」の、“他者そのもの”の対-話(pour-parler)である。
それも眼差しの不在によってそのイメージの剥奪されている“他者”である。
対話との対話を
繰り返す赤子の
指はたいてい傾いていて
そこから
とろとろ、と
三人称が零れている
わたしや、
あなたや、
それら。
「赤子の指」という断片=残余(remnant)から、「繁茂する水の渇き」を満たすようにして、
「とろとろ、と/三人称が零れている」
――「わたしや、/あなたや、/それら。」
しかしながらこの「とりろーぐ=tri-logue」において、既に「わたし」は亡く/無く、
その眼差しは閉じられている。
だが、この「三人称という代名詞は、客観的・対象的な領域を指示している」に留まっている
がゆえに、
実際の<語る主体>としての人間にかかわらぬ……むしろ<無-人称> non-personne
と呼ぶにふさわしい。
―――坂部恵
<無-人称> non-personne というこの余白に他者が現前 presence en personne する。
この<無>という語について、かつてベルクソンが執拗なまでに忠告(caution)した、偽の
問題、「錯誤」・「錯綜」に陥らぬように、そして真の幻想へと我々を誘うべく、
この『Phantasmagoria』は、そのように注意(caution)を繰り返す……あたかも、
「行方のない回廊」を「青白い 鬼火」が、
<ここ>を巡る我々にその幻灯を灯すようにして。
すなわち、このようなパラドクサルな仕方によってしかこの場=余白に現れぬ他者とは、
単なるその姿――イメージ の欠如ではなく、その仮象(appearance)
=personaを剥奪されたものであり
(一義的には人称として)未-決定な、その姿態の顕なまま剥き出しとなった“他者”である。
ゆえに、この余白は“他者”であると共に“法”の外として、「法の余白」として
記/印(marque)されることとなる。
黙秘権、
の
外側に
行ってしまうのですか、
『Phantasmagoria』
法の遵守は
ときとしてつめたく、
黙秘権の外側で
暮らしはじめた渡り鳥たちが、
海を渡らない、
渡られない海が、
つくられた薄氷を
うすらひ、
と
呼びこんで、
『Phantasmagoria』
「白地図」の内に海域が明らかにされる。渡り鳥たちの渡ることなく、
渡られぬことのない「海域」。
この不可侵の領域に黙秘権を、すなわちその法を剥奪された“他者”の「 沈黙 」が、
それを声の不在のままに抗すべく、ただ波音が、「黙秘権が語る言葉」が、
はうる
―――はうりんぐ(howling)
ソノ、
黙セル
漂流
カソレトモ
落下シ
吼エタケル
神秘カ
渦巻ノナカニ
マキチラシモセズ
ニゲモシナイデ
ノマワリニ ヒラヒラ トビカイ
ソノ無垢ノ標識ヲ揺リ
アタカモ
狂乱シタ孤独ナ羽根
―――ステファヌ・マラルメ
「狂乱シタ孤独ナ羽根」、「存在するはずのない飾り羽をひたすら隠し続けていた」――
この一文が示すのは、隠すことの行為そのもの――であるが、これらの羽根(penna)とは、
文を、あるいは法を書き記す筆(pen)の不在を示している。だからこそ、
横たわっているわたしは
今まさにこうして
わたしはゆるやかに死にました
と
書き記すことができる
わたしたちは
たくさん死にました
わたしも
わたしもわたしも
わたしたちみな
地球上にいるわたしは
絶滅しました と
書き記すことが
『とりろーぐ』
(余白に、)
その<書き記/印すこと>が未-決定のまま(余白に、)表される。
ここには「わたし」・「わたしたち」の<死>の未-決定をも含まれている、と
さらに正確に言うべきだろう。
あらゆる「わたし」の出来事/固有性の極地にあって「わたし」の認識することの
決して無い<死>に等比する“他者”の<死>の未-決定。“他者”、あるいは「わたし」
「わたしたち」の<書き記/印すこと>と<死>との統語的な結びつきが未-決定として、
この余白の、海域の深みに飲み込まれてゆく。
たとえば
傾く
天蓋のもと
怒り狂う
不動の
白い
深淵
―――ステファヌ・マラルメ
その海の表面にさざめく。波に流れている(pouring)。余白の内においてたゆたう、
あらゆる未-決定のものの記憶内容(souvenir)が、数々の(sekai no、/yume/夢)として、
Phantasmagoria (幻想)のように 現れる。
アフリカ あたり の
よくわからない
紛争が 大気中から
検出されたり じょうずな
赦しかたを 練習 したりする
行方のない 回廊を
歩いている
亡国の 亡国
を
産み 落とす
yume
『Phantasmagoria』
それは海上の、「街」の蜃気楼のようにして、起ちあがる。
街は、
季節外れの
クリスマスソングに
浸されているから
容れるように
受け容れられるように、
つめたい
摩擦係数を
忍ばせていく、
遺失物のように
誰かを待ちわびる街。
重力に
隷従する
葡萄の一房、
ひとつきりの平衡が
氷漬けにされている
化学繊維によって
街に組み換えられた街
『Phantasmagoria』
だが、これらのイメージこそ、幻視(illusion)、すなわち「錯覚」「錯誤」
であることを、ここで今一度警告(caution)する必要がある。あらゆる「夢」の眠りに、
その眼差しは閉じられている。
caution、
長い yume を
見ている 気が する
のだった
そしてそれは、
みぎわに
小舟をうかべる人の
疾患でもあった。
『Phantasmagoria』
また、それらの幻視(illusion)は「みぎわに/小舟をうかべる人」の
「疾患(ill)」として、警告(caution)されているものでもある。
夢を横切るように、唐突に現れた「小舟をうかべる人」―――<彼>
この『Phantasmagoria』における唯一の<三人称>である<彼>だけが、この不可侵の海域に
その舳先(Stem)を向けている。
ここにおいて、
隠すことの行為そのもの、として示されていた「存在するはずのない飾り羽」―
――筆(pen)は、羽根(penna)の羽軸(Stem)として、“存在するとは別の仕方”で
<それ>を顕にする。
この余白、あらゆる未-決定―――“他者”の、「法」の、<死>の、あるいはイメージの
<書き記/印すこと>の、したがって<無-人称> であるこの海域において、<書く>こと、
それは“波を分けてゆくこと(distribuer une vague)”であり、
その波の<分け放たれ-引き合わされ>という運動――ベルクソンの言葉を借りれば、
「やがて闇に消える不明瞭な光暈」を<対-話(pour-parler)>として、その航跡(trace)を
を引いていくことである。
一方、それは剥き出しの“他者”を引き裂くことでもある。
かの岸の太古のデモン(l'ulterieur demon immemorial)
波涛に愛撫され 磨かれ 運ばれ 洗われ
従順にされ堅い無情なものから
板のあいだに消えうせた骨を もぎ離された
その 子供めく影
波しぶきから
生まれた
デモン
―――ステファヌ・マラルメ
従って(Igitur)、この<書く>というデモン(Elbehnon)の狂気―――はうる、
はうりんぐ(howling) オデュッセウスがアルゴスの殺戮者によって航海を決意したように、
<無-人称>の、その応答を引き受けることによってのみ、この航海は可能となる。
(caution、
警告する、
警告を、警告する、
架空のイヤフォンの対岸から
架空のイヤフォンの対岸へと)
『Phantasmagoria』